登山道整備について 自然と人の関係を壊さずに歩き続けるために 近自然工法という、関係を整える実践 近自然工法による登山道整備は、単なる保全作業ではありません。屋久島では、ガイドは案内人であると同時に、山を読み、整える技術者であり、自然の意味を伝えるインタープリターです。 地形や水の流れを観察し、本来の働きが発揮されるように整える。壊れたものを直すのではなく、ずれてしまった関係を整え直す。それが、私たちの整備の考え方です。 リジェネラティブ(再生)とは、何かを足すことではなく、本来ある循環を回復させること。石を据え、水を導き、地面を安定させる。その一つひとつの営みは、自然と人の関係を養い直すプロセスでもあります。 この整備は、山を守るだけでなく、関係を育てる取り組みです。 実際に行っていること 私たちの整備は、以下のようなプロセスで行われます。 1 観察・調査 地形や傾斜の確認水の流れの把握踏圧の集中箇所の特定まずは「どうなっているか」を読むことから始めます。 2 観察・調査 どこに手を入れるかどこは触らないかどの程度の介入が適切か設計図に頼るのではなく、現場で完成イメージを共有します。 3 実施工 石の据え直し排水の分散路面の安定化周囲の景観になじむ施工人工物を増やすのではなく、自然の働きを助ける整え方を選びます。 4 観察・調査 整備後の水の流れの確認経過観察必要に応じた再調整整備は「完成」ではなく、継続的な関わりです。 ワークショップではこの一連の流れを体験します。山を観察する、水の流れを読む、石を据える、作業の意味を共有する技術だけでなく、「なぜそうするのか」という視点を持ち帰ります。 屋久島特有の課題 屋久島は年間降水量が多く、土壌が薄い島です。 ひとたび人の踏圧が集中すると、表土はすぐに流出し、根が露出し、地面は削られていきます。1000年生きる森と樹を守るためには、 できる限り自然に負荷をかけない利用の仕組みが必要です。 施工例 白谷現場①施工前 白谷現場①施工後 侵食により木の根が露出した現場。先人の石組みを補修しながら、木の根を守るステップを施工した。 王蟲岩作業前① 王蟲岩作業後① 沢状地形に水が溜まり人が歩くことでヘドロ化していた。 水脈を作り水道を確保し、石畳で歩行ゾーンを明確にした。 ヤクスギランド作業前 ヤクスギランド作業後② 傾斜もあり石が少ない現場なので、台風で倒れた倒木を利用しながらステップを施工し木の根を守る。 最新の施工例はこちら 屋久島の山を、次の世代へつなぐために。 登山道を守る活動に、あなたの力を貸してください。 寄付のお願い